◇長い一瞬◇

片側に複数車線のある、比較的大きな道路沿いを歩いていた。

 

 

 

ちょうどそこは

高架からの合流もある交差点。

 

 

駅が近く、交通量は多い。

 

 
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エンジン、ブレーキ、クラクションの音が

交錯する中

 

歩道を歩くわたしの真横で

バイクが急ブレーキ。

 

 

 

運転していた人の身体は

大きく前に投げ出された。。。。

 

 

 

 

 

 

 

・・・一瞬、時が止まった。

 

 

 

 

息を飲む。。

 

 

 

 

身体を起こし始めた所で

 

 

とっさに

わたしは

大丈夫ですか、と声を掛けたが

 

 

 

“ 大丈夫 ” である筈はなく。。。

 

 

 

負った傷が小さなものではないのが

一目瞭然だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『救急車呼びますね』

 

 

わたしは

目の前の出来事に

パニック寸前。

 

 

 

手も身体も震えてしまっていて

携帯の操作が思うように出来なかったが

 

 

 

119番。

 

 

 

生まれて初めて

ダイヤルした。

 

 

 

 

 

 

『消防ですか、救急ですか』

との問いに

 

 

「…救急車、救急車お願いします」

 

 

 その言葉だけでも必死だった。

 

 

 

 

 

『場所は何処ですか』

『駅のどちら側ですか』

『目印として交差点の角に何が見えますか』

 

こんなことを

矢継ぎ早に

訊かれた。

 

 

返答には

あまり要領を得ることが出来ず。。。

 

 

 

震えの止まらないまま

少しやり取りしていると

近くに居た男性が

電話を代わる、と言ってくれた。

 

 

 

 

・・・・不甲斐ない。

 

 

場所の説明

怪我人の状況など

どのように話をしたか

あまり覚えていない。

 

 

 

 

 

わたしは

仕事へ向かう途中だった事もあり

 

救急車の手配を終えると

 

ひと言 断りを入れ、その場を後にした。

 

 


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少し歩くと

サイレンを鳴らした

救急車とすれ違った。

 

 

 

少しホッとすると同時に

 

 

そこで

まだ身体がこわばっていることに

気が付いた。

 

 

 

 

 

 

結局、

何も出来なかった。。。

 

 

 

 

 

 

このような状況に

“慣れる”ということは

決して無い。

 

 

 

しかし

初めての事とは言え

ここまで動揺するとは

思ってもいなかった。。。

 

 

 

 

非力だ。。。

 

 

 

 

そう痛感しながら

答えの出ないであろう疑問や

色々なことを

とりとめもなく考えた。。。

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・長い長い一瞬の出来事。

 

 

 

 

 

 

 

今日も最後までお付き合い下さった方々

ありがとうございます🌹

 

地震の続いている地方、心配ですね。

お怪我や体調にはくれぐれもご留意を。。。

 

みのり